コラム

「会社を経営している人が離婚する場合に気をつけることは?①」

株式会社を経営している方が離婚をする場合、気をつけないといけない点がいくつかあります。


今回は特に財産分与の際に問題となりやすいところについて、お話をします。


まず離婚をする際、相手方に対して財産分与を求めることができます(民法768条 参照)。

簡単に言えば夫婦で築き上げた財産を、離婚する際に分けることを求めることができます(財産分与には、いろいろな性質のものがあるとされていますが、ここでは割愛します)。


そして夫婦名義の財産は、原則としてすべて財産分与の対象になります。


ご自身で株式会社を経営されている方の場合、自社の株式も持っているという方も多いのではないでしょうか。

先ほど述べたように、夫婦名義の財産は財産分与の対象となるので、自社株式を持っている場合には財産分与の対象となります。


例えば結婚後に会社を立ち上げたような場合には、その会社の経営に配偶者が関わっていなくとも、自社株は財産分与の対象になると考えられます。


この場合、財産分与において株式自体を譲渡するのか、その株式に見合う価値の現金で支払うのかといった問題が生じます。
株式自体を譲渡する場合には、今後の会社経営の方針にも関わってくる可能性があります。

一方で現金で支払うにしても、上場していない株式会社(非公開会社)の株式の評価をどうするかについては、当事者間で合意をする必要があります。
ただ、この評価について争いになることもあります。


もっとも、結婚前から会社を立ち上げ、その時点から株式を持っていた場合や、親や親族から相続などで株式を譲り受けたという場合はどうでしょうか。

この場合、株式は夫婦で築き上げた財産ではなく、財産分与の対象にならない、と主張することが考えられます。

そのため自社株をどのように取得したのか、いつ取得したのかという点も財産分与を検討する上で重要なポイントになると言えます。


このように、会社を経営されている方が離婚をする場合には、特有の問題が生じることがあります。

今後の会社の経営にも関わる問題にもつながりかねないので、慎重に対応する必要がありますので、まずは一度弁護士にご相談をすることをお勧めします。

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2024年03月14日

「どうして契約書が必要なの?②」

前回に引き続き、「どうして契約書が必要なのか」についてお話をしていきます。

契約については、ほとんどの契約が双方が合意することで成立をします(なお、保証契約は契約書の作成が成立要件とされています)。

いわゆる口約束でも契約は成立します。また見積書を送り、相手がそれでOKという返事があれば、契約が成立したことになります。

そのため契約書を作らなくても、問題なく取引ができているという方もいるかもしれません。

ただトラブルが起きた場合には話が別になります。

例えば期限どおりに納品ができなかったり、サービスが提供できなかったりした場合、その責任はどのようにとるのかということまで口頭で決めている方はほぼいないと思います。

またその場合に契約を解除できるのかどうか、という問題も生じます。
契約で決めていなくても民法などの法律に則って対応すればよいという考え方もありますが、法律上の要件を満たしているかどうかでまた争いが生じてしまうこともあります。

そして「言った言わない」、「そういった趣旨で言ったわけではない」といったことで泥沼化してしまう可能性もあります。
これにより、今まで築き上げてきた取引先との信頼関係が崩れてしまうということもあります。


このような場合、きちんとした契約書を作っておくことでトラブル発生を防ぐことができたり、またトラブルの発生を最小限に抑えることができます。

前回もお話したように契約の内容を明確にすることに加え、相手が契約上の義務を守らなかった場合のペナルティや、契約を解除できる場合、その場合の損害賠償の金額なども定めておくことができます。

それにより、契約書に基づいて対応をすることでトラブルの発生を未然に防いだり、最小限に抑えるということができます。


このように契約書にはトラブルの発生を防いだり、最小限に抑えるという効果もあります。

長年の取引先との契約を書面化することに抵抗を覚える方も多いと思います。ただ、それによりトラブルを未然に防ぎ、取引先との関係を良好なものにできるとも言えます。

そのため、これを機に契約書についてご検討ください。

ご自身で作成した契約書が本当に大丈夫か、ご不安になる方も多いかと思います。
そのため契約書について不安を感じた場合には、トラブル対応に慣れている弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

詳しくはこちらをご覧ください!

2024年02月06日

「どうして契約書が必要なの?①」

会社を経営していく中で、日常的に多岐に渡って契約を締結されていると思います。
取引先や金融機関、従業員との契約など長期的な契約もある一方で、1回限りの契約も多数あり、ビジネスをする上では欠かせないものと言えるでしょう。

では「どうして契約書が必要なのか」について考えたことはあるでしょうか。
今回は契約書が必要な理由について、出来る限り分かりやすくお話します。


自社が取引先に製品を納入したり、サービスを提供するとなった場合を考えてみましょう。

対象となる製品・サービスは何なのか、その対価としていくらもらうのか、期限はいつまでなのか、どこまでが今回の契約に含まれるのか、というような取引の条件を定めることになります。

また期限どおりに提供できなかった場合や代金の支払いが遅れた場合など、トラブルが生じた場合についても定めることもあります。


このような取引条件を取り決めても、お互いの認識が一致していないとトラブルになります。
特に新規の取引先など、考え方やバックグラウンドが違う場合にはこのようなトラブルが多く発生することがあります。さらに業界の慣習や専門用語の意味が相手に伝わっていないことも考えられます。

契約内容を明確にして認識を一致させる
このような場合に備えるものが契約書です。

取引条件を明確に書いておくと共に、トラブルが発生した場合にはどのような対応をするのか、どちらが責任を負うのかといったことを明確にしておくことで、お互いの認識を一致させることができます。

これによりトラブルの発生を未然に防ぐことができ、安心して契約に基づいて対応することが可能になるのです。


このように契約書を作成する理由の一つには、契約内容(取引条件)の明確化とトラブルを予防することが挙げられます。

ただ、ご自身で作成した契約書が本当に大丈夫か、ご不安になる方も多いかと思います。


そのため契約書について不安を感じた場合には、トラブル対応に慣れている弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

あわせてこちらもご覧ください!

2024年02月05日

「相手のモラルハラスメントを理由に離婚できる?②」

前回に続いて、モラルハラスメントを理由とした離婚について、お話をします。


離婚の際には、相手と離婚について話し合うことが大切ですが、モラハラを理由とした離婚の場合、この話し合いが十分にできない場合があります。



そもそも相手が話し合い自体に応じようとしない、向き合わないということも考えられます。
また話し合うことができても、相手が一方的に有利な条件を押しつけられるということもあります。
特に注意をしなければいけないのは、「相手が言っていることがすべて正しい」ということを前提に、話し合いを始めてしまう方も一定数おられる、ということです。


これはモラハラに限った話ではありませんが、当事者間での力関係が対等でない場合、強い方から弱い方に意見を押しつけてしまい、不利な条件で離婚をしてしまうというケースも見受けられます。


ただ、ご本人自身はそのことに気が付いていない、というケースも多くあります。
実際にご相談いただいた方の中にも、親や友達から指摘されるまで気が付かなかった、自分だけだったら不利な条件をそのまま呑んでしまっていたという方が複数いらっしゃいました。


このような場合には、話し合いによる解決自体がそもそも困難であることも考えられます。
離婚の条件については、離婚後の生活にも影響を及ぼします。
特に未成年のお子さんがいる場合にはお子さんにも影響します。


納得をして離婚をするためにも、離婚を決意された時点で弁護士にご相談をいただき、一緒に検討をすることをお勧めします。


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2024年01月30日

「相手のモラルハラスメントを理由に離婚できる?①」

ご相談を受ける中で、「配偶者のモラハラ」を理由に離婚を希望される方もいらっしゃいます。


今回は、モラルハラスメントを理由とした離婚ができるのか、という点についてお話をします。


まずモラルハラスメントについては、法律上の定義はありません。
一般的には「道徳や倫理に反した嫌がらせ」、「心ない発言、態度(無視)」などを指すとされます。


例えば、
・生活費を渡さない / 過度に生活費を制限する
・相手の人格そのものを否定する 
・相手を蔑むような発言を繰り返す
・間違いなどを過剰に責める
・自身の間違いを認めず、こちらに責任を転嫁する
・交友関係を制限しようとする、支配しようとする
・無視をする
といったことを相談されるケースが多いです。


では、モラルハラスメントがあった場合に離婚はできるのでしょうか。


相手が離婚を拒んだとしても、相手側に「裁判上の離婚事由」があれば離婚はできるとされています(民法770条参照)。
そして、モラルハラスメントが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するような場合には、離婚事由になると考えられます。


なお、上記はあくまでも相手が離婚を拒否し、離婚裁判になった場合の判断基準になりますので、相手が離婚自体を承諾した場合は離婚をすることが可能です。

そのため、まずは相手と離婚について話し合いができる状態か、話し合いができるにしてもきちんと条件を交渉できるかが大切になってきます。


ただ、モラルハラスメントとを受けている方の中には、ご自身での話し合い自体が難しいという方も多数いらっしゃいます。


そのため、離婚を決意された時点で弁護士にご相談をいただき、一緒に検討をすることをお勧めします。


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2024年01月27日

2024年 本年もよろしくお願いいたします!!

2023年もたくさんの方にご相談、ご依頼をいただきました。

昨年も「セカンドライフに向けた準備」「相続対策、相続が発生した場合の準備」の重要性を実感した1年でした。

現時点で相続が開始した場合、どのような問題が起きるのか?

認知症になってしまった場合、どのような問題が起きるのか?

考えることは憂鬱だと思いますが、対策の有無によってご家族の精神的・経済的負担が格段に違ってきます。
今年も「相続のリスク診断」やセカンドライフ・相続問題に関する法律相談に、特に力を入れていきます。

また離婚問題についても多くのご相談・ご依頼をいただきました。

離婚を考えた時点からご相談をいただくことで、どのような準備をすればよいか、離婚後の生活で問題になるポイントはどのような点か、ということを把握することができます。

最後に労働災害については、会社側の責任(安全配慮義務違反)が問題になるケースや、会社が労災保険の申請に協力してくれないといった案件のご相談・ご依頼が目立ちました。

こちらの問題についても、早めにご相談いただくことが大切です。

2023年12月時点で、ご依頼いただいた案件の結果に「満足」と回答いただいた方の割合は、97パーセントになりました(回収したアンケート中、有効回答数173件中、「満足」と回答した方の割合を指します)。

これからも、みなさまに身近な法律事務所でありたいと考えております!!

お気軽にお問い合わせください!

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2024年01月05日

「離婚の条件はどうやって決めればいいの?③」

冷静な判断ができる状態を作ること、前提となる情報をきちんと整えることの重要性についてお話をしてきました。


今回は、相手と話し合いを時に気をつけるポイントの一つについてお話をします。


よくご相談をいただくのは「相手が今まで話してきた内容を急にひっくり返してきた」、ということです。
例えば、離婚を前提に財産分与の話を進めてきたのに、急に離婚自体を拒むようになった、とか財産分与をする必要がないと言い出した、などです。


もちろん感情的な問題も絡むので、このようなことが起こることも仕方がないと言えます。
ただ時間をかけてきたのに、振り出しに戻ってしまうのはとても疲れてしまいますよね。その結果、相手の出した条件で離婚をしてしまった、という話も聞きます。


そのため、話し合いをするにあたっては決めたことは一つ一つ書面にしておくか、ひっくり返してきた時点で「離婚調停」手続を利用する方向に舵を切ることも考えられます。


特に調停については家庭裁判所で、裁判所の調停委員を通じて話し合いを行うので、当事者だけで話し合うよりも冷静かつ建設的に話し合いできる可能性が高いと言えます。

ただ、このような判断をご自身だけでするのは難しいと思います。
そのため相手と話し合うにあたっても、事前に弁護士にご相談をいただき、進め方を決めておくことをお勧めします。


何回かに渡って、離婚の条件を決める時の前提となる事項についてお話をしてきました。


離婚の話し合いはどうしても感情的になりがちですし、トラブルも起こりやすい場面です。
ただ、離婚後の生活にも直接影響しますので、きちんと決めておく必要があります。
悔いが残らないようにするためにも、弁護士に相談いただき、一緒に問題を解決していきましょう。


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2023年12月05日

「離婚の条件はどうやって決めればいいの?②」

今回も離婚の条件をどのように決めるかについて、お話をします。

離婚の条件を決める場合に、どんな方でも問題になりやすいのが夫婦が結婚生活中に作った財産の清算(財産分与)です。


財産分与を考えるにあたっては、まずはお互いの名義の財産をきちんと把握しておく必要があります。
ここで大事なのは、夫婦それぞれの名義の財産を正確に把握しておくことです。
不動産、預金、積立型の保険、投資信託などの金融商品、退職金などについて書き出してみましょう。
その上で結婚生活とは関係がなく得られた財産についても把握しておきましょう。例えば、不動産を買うときに親が出した頭金、相続や贈与としてもらったお金などです。


このような情報を踏まえて、財産分与について考える必要があります。
そのため、相手が財産を隠しているような場合には財産分与の金額を正確に算定することができません。


このような場合には、弁護士にご相談されることをお勧めします。
その上で、相手ときちんと話し合い開示を求める必要がありますが、それでも開示されない場合には、調停・訴訟を通じて資料を取り寄せることも考えられます。


財産分与は離婚後の生活にも多大な影響を与えます。
そのため、条件を定めるときには、その基となる情報をしっかり集めて考えることをお勧めします。


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2023年12月04日

「離婚の条件はどうやって決めればいいの?①」

離婚を考え始めた時、例えば自宅はどうすればいいのか、預貯金はどうすればいいのか、養育費は?・・・などなど条件を考える必要があります。

離婚の条件はどうやって決めればよいのかについてお話をします。

まず、離婚の条件を相手と話し合う前に気をつけなくてはいけないのが、「冷静な判断」ができる状態で条件を考えることです。
ご相談をいただいた方の中には、どうしても離婚をしたいから無理な条件で合意してしまった、とか相手が提示した条件が正しいと思って合意をしてしまった、という方も見受けられます。

特に配偶者からモラルハラスメントなどを受けるなどして、相手の言っていることを素直に受け止めてしまっている傾向のある方は注意が必要です。

では冷静な判断ができる状態に持っていくためにはどうすればいいか。
色々な方法があると思いますが、客観的に意見をくれる第三者に相談をすることが大切だと思います。
親族、信頼できるご友人でもよいと思いますし、弁護士にご相談をいただければ、ご自身や相手の考えている条件が相場に合っているのか、というのを判断することができます。

離婚後の生活の方が長い、という方も多くいらっしゃいます。
またお子さんがいる場合にはそのお子さん達の今後にも影響してきます。

そのため、離婚を考えられた際には、まずは弁護士にご相談いただき、冷静な判断ができる状態を作ってから条件を一緒に検討しましょう!

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2023年11月29日

「こんなことをすると、こんなことを言うと離婚の交渉の時に不利になるんじゃ・・・」

離婚に関するご相談をいただく中で、このようなご質問をいただくことが多いです。


相手と話し合いをしているんだけど、こういうことを言ったらまずいんじゃないか、不利になるんじゃないかといったようなことで、不安に思われる方が大変多いのではないかと思います。


どの方にも一律当てはまる、不利になる一言というようなものはないと思いますが、前に言ったことを翻すとトラブルが広がってしまうことは多いかと思います。
もちろん夫婦間の話し合いですから感情に任せて言ってしまったが気持ちが変わった、前提が変わったということもあると思います。
そのためご自身が前に言ったことに、絶対に縛られなくてはならないということもありません。


ただ相手から見ると、前に言ったことを翻すことで不信感が生じてしまい、話し合いが上手くいかなくなってしまう、というケースもあります。


そのため離婚の話し合いをする場合、感情に任せて発言をせずに、冷静になることが大切です。
その上で、弁護士にご相談をいただき、一緒に問題点を整理し、どのような解決策が考えられるかを検討した上で、落ち着いて話し合いに臨むことをお勧めします。


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2023年08月17日

「どのようなトラブルがあると、離婚裁判にまで行ってしまうの?②」

前回に引き続き、当事務所で対応した案件の中で、訴訟で解決に至った案件についてお話をします。何かの参考になれば幸いです。


未成年のお子さんの親権について争いがある場合、具体的にはどちらが親権者となるかについて争いがある場合には訴訟に至ってしまう可能性は高いと言えます。


財産分与などとは異なり、親権者についての争いは調整が困難な問題です。
特にお子さんが小さい場合には、家庭裁判所の調査官による調査を実施してもらい、客観的かつ公平な立場から意見をもらうことで、双方が親権者について検討をすることが考えられます(調停手続中に、裁判所の判断で調査官調査を実施することはあります)。
その場合には、これまで面会交流を実施しているか、今後の面会交流をどう考えているかといったことも考慮されます。



また離婚自体は合意できているけれども、相手が自分の財産をきちんと開示しないという場合も裁判に至ってしまうことがあります。


この場合には、裁判所を通じて金融機関などに問い合わせを行うことで、財産を明らかにすることが考えられます(このような調査嘱託などは調停手続でも行うことは可能ですが、裁判に移行させ、そこで手続をするように促されるケースが多いというのが実感です)。
もっとも、上記は無制限に行ってくれるわけではなく、そこに財産があるという可能性を示す必要があります。


このように、調停で話し合いができない場合には、訴訟手続きを通じて解決を目指すことになります。

もっとも、裁判になったとしても必ず「判決」に至るわけではなく、大半の案件が「和解」で解決しています。
これは裁判官が積極的に事態を整理し、解決案を提示することで、双方が納得するケースも多いことを示しているとも言えます。


このような和解による解決も考えられますので、調停がまとまらなかったとしても、訴訟による解決も考慮して対応を検討する必要があります。


前回もお話ししましたが、離婚訴訟の対応は調停とは異なり、ご自身一人で行うことは難しいと考えます。
訴訟を起こす場合や起こされてしまった場合には、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。


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2023年08月15日

「どのようなトラブルがあると、離婚裁判にまで行ってしまうの?①」

離婚について話し合いをし、調停手続を利用しても解決ができない場合には、離婚裁判(訴訟)を起こすことが考えられます。



よく質問を受けるのは、どのようなことでトラブルになると裁判まで行ってしまうのか?ということです。そこで、今回は当事務所で対応した案件の中で、訴訟で解決に至った案件についてお話をします。
何かの参考になれば幸いです。


まず相手が話し合い自体に全く応じず、調停手続にも出頭しない場合です。

このような場合、何も解決ができないので、裁判を起こす以外の方法がないかと考えられます。
なお調停には出頭しないけれども裁判になると対応をする、という方もいるので、裁判を続けつつ、話し合いをするといったことも可能になります。


また離婚自体に応じない、という場合には調停手続を利用しても解決には至りません。
ここで「裁判上の離婚事由」(民法第770条参照)があると考えられる場合には、訴訟を提起し、解決を目指すことが考えられます。
この手続きの中で、お互いの主張をやりとりし、互いに譲歩し、和解で解決するということも考えられます。


このように相手との話し合い自体が難しい場合は、裁判手続を利用して解決を図ることが考えられます。


ただ離婚訴訟の対応は一人では難しいと考えます。
そのため、訴訟を起こす場合や起こされてしまった場合には、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。



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2023年08月11日

「離婚は話し合いから入るべき?それとも調停を起こすべき?」

離婚することを決めた場合、それをどのように進めるべきかは難しい問題です。
話し合いから入るべきか、「離婚調停」を起こすべきかは案件ごとに異なります。
今回は、話し合いで進めるべきか調停を起こすべきかについてお話しします。


離婚を決めた場合、まずは相手と話し合って解決を図ることをお勧めします。
相手があることですから、やはりきちんと話し合いをし、ご自身の希望を伝えるべきかと思います。
もっとも、話し合いで解決できない場合、時間だけ経ってしまうことも考えられます。そのため、どこかで話し合いを打ち切り、調停手続を利用することが考えられます。
例えば、
・離婚すること自体に応じてくれない
・親権者について争いがある


このような場合、いくら話し合っても解決ができないと考えられます。そのため、調停手続を利用し、家庭裁判所で事態の解決を図ることも考えられます。


他方で、相手と話し合いができない場合や話し合うこと自体が危険な場合には調停の申し立てを行うことが考えられます。例えば話し合いを拒否されている場合や、相手から暴力を振るわれる恐れがある場合などです。
このような場合には、話し合いの場を設けてもそこでトラブルが生じてしまうことが考えられます。


このように離婚をしたいと思った場合、どのような手続きを利用するかについては、ケースごとに異なります。
ご自身だけで判断することは困難かと思いますので、まずは弁護士にご相談をされることを勧めします。



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2023年07月28日

「養育費にはどのようなものが含まれるの??②」

今回も養育費についてお話しします。

・18歳に達した後の養育費
成人年齢が引き下げられ、現在は18歳で成人とされます(民法第4条参照)。
養育費は「未成熟子」に対して支払われるものとされるので、養育費の終期は18歳と考える方もいらっしゃいます。
ただ養育費はあくまでも「未成熟子」が経済的に自立することが期待できない場合に支払う必要が生じるものです。
そのため、18歳に達した場合であっても、大学・専門学校に進学している、または就職ができない特別な事情があるような場合には、養育費を負担する義務が生じるとされています。



・大学や専門学校などの学費
大学などの学費や入学金なども、養育費が想定する教育費には含まれていません(正確には公立高校を想定した教育費との差額部分は含まれていないということになります)。


前回お話ししたとおり、別居や離婚の前に大学・専門学校への進学が決まっている、もしくは進学していた場合には、相手も進学を承諾している場合が多いと言えることから、その学費も養育費として負担することを求められるかと考えられます。
反対に、別居や離婚した後に進学をする場合や、相手が承諾をしていない場合には、そのまま負担を求めるということは困難です。
そのため、大学等の学費については、離婚の時点で決めておくか、あるいは大学進学が必要になった時点で、負担割合を協議する、といったことを決めておくことが大事になってきます。


このように、養育費と一口に言っても、何が含まれ、何が含まれないのかをきちんと判断する必要があります。


そのため離婚を検討する場合には弁護士にご相談いただき、今後の生活を踏まえて養育費を定めることが大切です。

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2023年07月24日

「養育費にはどのようなものが含まれるの??①」

離婚をする際に決めておいた方が良いのが、養育費です。

この養育費を決めるうえで、相手に請求できるのかどうか問題になる項目があります。
今回から何回かに分けて紹介します。


養育費は、一般的には「未成熟子」の経済的・社会的に自立するまでに要する費用(衣食住に必要な経費,教育費,医療費など)とされています。

この養育費ですが、お互いに話し合いをして金額などを決めることになります。これがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停で協議をし、合意ができなければ裁判所に決めてもらうことになります。


この時、問題になりやすいのは、習い事・私立学校の学費です。


養育費を裁判所で定める場合には、最高裁判所が公表している「算定表」に基づいて計算されることになります。
この算定表に基づく養育費を計算する際には、簡単に言えば「公立学校」に通っていることを前提として学校教育費が考慮されています。
そのため、習い事、予備校・資格試験の学校、私立学校の学費などは考慮されていません。
そのため、この費用(養育費で考慮されている学校教育費を超える部分)をどのように負担するかが問題となります。



この場合、例えば別居や離婚の前から子どもが通っており、それを負担することが合意されていた場合には、養育費に上乗せすることが認められやすいと言えます。


他方で、別居・離婚後に通い始めたような場合には、養育費を支払う側が承諾していたのかなどといった具体的な事由を検討する必要があります。


お子さんにかける教育費が高額になっている場合、離婚に伴ってその負担をどうするかというのは大きな問題となります。
そのため、まずは弁護士にご相談いただき、対応を検討することをお勧めします。



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2023年07月11日

「離婚するのは大変??」

昔に比べて、離婚そのものに対する抵抗は減ってきているのではないでしょうか。
ただ、離婚を決断することは非常に難しいことであり、問題をいくつもクリアする必要があります。またストレスを感じる場面も多くあります。


まず結婚と同じで、離婚も相手が応じてくれなければ、話し合いでの解決は難しいということです。
当然のことですが、相手が離婚自体を拒否するのであれば、離婚手続きを進めることはできません。
この場合、相手とキチンと話し合いをすることが大切になりますが、その話し合い自体で強いストレスを感じられる方もいます。


また離婚自体は合意ができたとしても、親権者、財産分与、子どもとの面会交流などの条件についても話し合う必要があります。
特に、離婚後の住居の問題は切実です。持ち家であれば、その処分をどうするのか、賃貸であれば離婚後もそこを借り続けられるのかということも問題になってきます。


さらに離婚後の生活設計も大切です。
共働きだった場合には、離婚により確実に世帯収入は減ることになります。また配偶者の扶養に入っていた方は、離婚後の収入を確保する必要があります。
この点をどうするのかを解決する必要があります。


このように一口に離婚と言っても、クリアをしなければいけない問題が多数あります。
離婚後の生活が長い、ということもありますので、離婚後の生活設計をきちんと立てる必要があります。


そのため、離婚をしたいと考えた場合、まずは一旦冷静になっていただき、弁護士に相談をして、上記のような問題をどのようにクリアしていくかを一緒に考えることをお勧めします。


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2023年06月15日

「離婚に備えて『就職』はした方がいいの??」

専業主婦(主夫)や配偶者の扶養の範囲でパートで働いている方が離婚を考えた場合、就職したり収入を上げるために就労時間を増やした方がいいか?とご質問を受けることがあります。



この点について正解はありませんが、離婚後の経済的な不安を解消することを考えると、就職などを検討してもよいかと考えます。


別居をした場合、相手に婚姻費用を請求することが可能です。
もっとも、この婚姻費用の合意ができなかったり、合意まで時間がかかる場合に、その間の生活費をどうするか、という問題があります。


また自分が家を出る形で別居をしようと思っていても、ご自身の収入がないもしくは低い場合には、マンションなどを借りることができないことも考えられます。



ご親族の援助が受けられる場合には問題はありませんが、それができない場合には、収入を確保した上で、別居という方が現実的かと考えられます。
また離婚に伴って財産分与などを得られれば良いのですが、離婚後は自分の生活費を確保するためにも就職は必要になってくるかと思われます。


以上を踏まえて、離婚の準備として就職をする・就労する時間を増やすということをご検討いただけると幸いです。



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2023年06月12日

「夫婦でペアローンを組んでいる場合、離婚する時はどうすればいいの??」

自宅不動産を購入されるときに、夫婦でローンを組むこともあろうかと思います。
このように、夫婦でローンを組んだ場合(ペアローン)、離婚する時に気をつけなくてはいけないことについてお話しします。


例えば、AさんBさん夫妻が自宅を購入しました。
この時、自宅の持ち分は2分の1ずつとし、抵当権を設定すると共に、お互いの連帯保証人になっているという事案があったとします。


つまり、Aさんは銀行から借り入れをし、Aさんの自宅持ち分だけではなく、Bさんの自宅持ち分に抵当権を設定し、かつBさんにAさんの連帯保証人にもなっているという場合です(Bさんの場合も同じ)。



まず離婚をしたからといって、連帯保証人の地位や抵当権が消えるということにはなりません。そのため、離婚後もお互いにローンを支払う必要はありますし、ローンの支払いが滞れば、連帯保証人としての責任を負う可能性も出てきます。


そのため、離婚をする場合には、この点を解決する必要があります。
例えば自宅不動産を売却して、ローンが全額返済できる場合には、離婚を機に自宅を売却し、ローンを返済してしまうことが考えられます。
ただ、自宅を売却してもローンが残ってしまう場合には、先ほどと同じような問題が生じます。


またローンの借り換えによって、問題を解決することも考えられます。
例えば、AさんがA宅不動産を全て取得することとし、代わりにAさんが単独でローン借り換えを行い、それによりAさんBさんの旧ローンを一括して支払ってしまうということが考えられます。
これにより、今後はローンはAさんのみが支払い、Bさんは連帯保証人の責任を免れることができます。


このように、いくつかの解決方法が考えられますので、事案ごとに適切な方法を選択する必要があります。もっとも、これも相手が同意してくれなければ実現しないことから、よく話し合う必要があります。

特に住宅ローンを組んで間がない場合には、このペアローンの処理の方が大きな問題になってしまうこともあります。

ペアローンを組む時から離婚した場合のことを考える方は少ないと思います。
ただ、離婚となった時には大きな問題になってしまいますから、離婚を考え始めた段階で、早目に弁護士にご相談をされることをお勧めします。


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2023年06月01日

「相手が財産を隠しているけれど、財産分与の話し合いはどうすればいいの??」

離婚に伴う財産分与では、一般的にはお互いの財産(夫婦の共有財産)を全て開示し、それを原則として2分の1ずつになるように話し合いを行います。

この時に、相手が全部の財産を開示してくれない、といったケースも考えられます。
このような場合、まずは相手ときちんと話し合うことが大切です。
ただ話し合っても相手が財産を開示をしない、あるいは財産の存在自体を否定するような場合には、どのような対応が考えられるのでしょうか。


・対象となる財産が明らかな場合
例えば、相手名義のA銀行の口座があるのに、それを開示しない場合などが考えられます。
この場合には、弁護士に離婚協議などを依頼している場合には、「弁護士会照会制度」を利用して同金融機関に問い合わせをかけることが考えられます。
これは、弁護士が依頼を受けた事件について、職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度です。
ただ、この照会に対して回答するかどうかは対象となる金融機関の判断に委ねられることから、相手本人の同意がないと開示には応じられないというような対応がなされることもあります。



また家事調停や離婚訴訟が係属している場合、裁判所がその必要性を認めれば、裁判所から金融機関に対して「調査嘱託」を行い、口座情報の開示を求めることが考えられます。

これらの制度を利用することで、相手が財産を開示しない場合でも、その情報を取得し、それを踏まえて財産分与を行うことができます。


・対象となる財産が明らかではない場合
例えば、「もっと別に財産があるはずだ」、「前はもっと財産を持っていた」というように対象となる財産は明らかではないけれども、財産隠しがされている可能性がある場合はどうでしょうか。



このような場合、今ある資料からより具体的に調査を行う必要があります。例えば、開示された口座の記帳欄(取引履歴)を確認し、どこかに移動されていないかとか、金融資産を購入していないかと行ったところを確認します。


また給料・年金などの入金履歴が開示された口座にない場合、逆に普段使っているクレジットカードや口座引き落としにしているもの(水道光熱費など)の支払い履歴がない場合には、別な口座がある可能性もあります。


このような事実を相手に伝えた上で、開示を求めることやより具体的な調査を行うことが考えられます。



このように財産分与の話し合いをする中で、相手が財産を隠していると思った時には、手続きの段階によって取りうる手段が異なってきます。


ご自身での判断も困難なこともあると思われますので、まずは弁護士に相談をされることをお勧めします。

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2023年05月31日

「相手の親の土地に夫婦で自宅を建てている場合、離婚する時に気をつけないといけないことは??」

配偶者の親族所有の土地に、結婚を機に自宅を建てるというケースも多いかと思います。
このような夫婦が離婚する場合、どんなことに気をつけなければいけないのでしょうか??


次のような事例があったとします。
AさんはBさんと結婚をしました。


それを機に、Bさんの父・Cさん名義の土地にAさんBさんで建物を建てました。
住宅ローンはAさんとBさんで借り入れ、Cさんの土地を担保に入れている(抵当権を設定している)という状態です。


AさんとBさんが離婚する場合、この自宅建物の処理が問題になります。
建物を売却してローンを返済しようにも、一般的には建物の売却価額だけでローンを完済できないというケースが多いかと考えます。
また、A・BさんとCさんで、土地の使用権原について明確にさだめていないことも多いので、建物だけで売却できるか、という問題も生じてしまいます。


そのため、この場合にはBさんが新たに借り入れを行い、「Aさんの住宅ローン」を支払ってしまうと共に、Aさんの建物の持ち分をBさん名義に変更するということも考えられます。


ただ新たな借り入れができないという場合には、より事態は複雑になります。
この場合には、離婚をしてもAさんBさんで住宅ローンは支払っていくなど、離婚後も関係を続けざるを得ないことも考えられます。


もちろん、結婚をする時や自宅を建てる時に、離婚をした場合のことを考えるという方は少ないと思います。ただ、土地と建物の権利者が異なることで、問題が複雑化するケースがあることは覚えておいていただければと思います。


このように建物は夫婦共有で、敷地が親族所有という場合で離婚となると問題が複雑化する可能性があります。
そのため、このような場合には、まずは弁護士に相談をすることをお勧めします。


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2023年05月27日

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